FXでは取引額で儲けが違ってきます。1万米ドルで取引するのか10万米ドルで取引するのかで10倍の差分があります。しかし、お金がないと大きな取引はできません。
それを解消してくれるのがレバレッジです。
では、分かりやすくレバレッジを解説しましょう。
レバレッジの基本知識
FXを始めるにあたって、必要となるのが証拠金、自己資金です。取引業者へお金を入金しなければ取引は始められません。
では、お金をいくら準備すればいいのでしょうか?
初めてではわかりづらいところもあります。
仮に100万円を入金したとしましょう。レバレッジがない状態を考えます。
取引単位は1万とします。1万米ドルや1万豪ドルです。
100万円を証拠金として預けた場合で下記のような通貨額の時
- 米ドル=1ドル=113円
- 豪ドル=1ドル=82円
- 英ポンド=1ポンド=142円
とした場合、取引可能な通貨は豪ドルだけになります。米ドルと英ポンドは100万円を上回りますから取引できません。
豪ドルだけが82万円で取引可能ですが、最低単位の1万豪ドルですから、1円上がって1万円の利益程度です。
これがレバレッジ1倍ということです。
そのままの金額で取引することということはレバレッジをかけていないということです。
ではここからレバレッジをかけて倍率を変化させた場合を見てみましょう。証拠金は100万円です。
- 米ドル=1ドル=113円
- 豪ドル=1ドル=82円
- 英ポンド=1ポンド=142円
先ほどと同じ条件です。
倍数がレバレッジの倍数で、括弧内が取引可能額になります。
- 米ドル=5倍(4万ドル)10倍(8万ドル)25倍(22万ドル)
- 豪ドル=5倍(6万ドル)10倍(12万ドル)25倍(30万ドル)
- 英ポンド=5倍(3万ポンド)10倍(7万ポンド)25倍(17万ポンド)
このとおり、取引額が相当増えました。100万円の証拠金に25倍のレバレッジがかかると2,500万円までの取引が可能になるわけです。
ではなぜそんなことが可能なのか?という疑問が出てきます。
それは、取引業者から取引の間だけお金を借りているのです。取引業者としても沢山の取引をしてもらえば沢山の手数料を受け取ることができます。
2,500万円というとびっくりしますが、逆に考えて25分の1の金額で取引できるということです。
米ドルで考えてみると、113円の1万米ドルは113万円ですから、その25分の1の証拠金が4万5千円で1万米ドルを取引できるわけです。
以前は50倍まで取引が可能でしたが、膨大な損失の危険性があるため金融庁が25倍までと規制をかけました。法人に限り現在でも50倍まで可能です。
このようなことから、レバレッジがあることで少額の証拠金で多額の取引が可能になります。
レバレッジの危険性
基本的なことをご理解いただけたと思いますので、次に危険性についてお話しましょう。
レバレッジをかけることによって、1万豪ドルしか取引できなかったのが、最大で30万豪ドルの取引が可能になります(25倍です)
では取引ではどのようになるのか見てみましょう。
仮に豪ドルを82円で買い、83円で売り利益が1円でた場合を検証してみると
- レバレッジ1倍=豪ドルを1万ドル 利益は1万円
- レバレッジ25倍=豪ドルを30万ドル 利益は30万円
この逆で1円損失が出た場合
- レバレッジ1倍=豪ドルを1万ドル 損失はマイナス1万円
- レバレッジ25倍=豪ドルを30万ドル 損失はマイナス30万円
となる訳です。危険性がお分かりになったと思います。
レバレッジをかけられるが、損失が出た場合はその損失分を支払わなければなりません。
取引業者側で、安全対策として証拠金の40%~50%の損失を出すと、自動的に強制決済するシステムを備えています。大負けを防止するためです。
それでも、急激な逆変動で決済の約定が遅れてしまうと、証拠金の半分以上を無くしてしまう可能性も高いのです。
FXでは損切となる場合もかなりの確率でありますから、図に乗って取引をすると痛い目にあいます。
ではどのような取引が安全であるのか?
それは、レバレッジを利用して少額で取引可能となりますから、ポジションを少なめにして取引することです。
仮にレバレッジ25倍の4万5千円で、1万米ドルが取引できるのであれば、100万円の証拠金だとすると、一度の取引では1万米ドルから2万米ドルでしょう。
投資の世界でよく言われることは1回の取引で1%~2%の損失に抑えること。証拠金を使うリスクは15%程度に抑えることと言われます。
FXは上げか下げかですから、50%近くの確率で負けがあります。その負けで証拠金をなくしてしまえば退散するしかありません。
FX投資で必要なことは、博打ではありませんから、何万円・何十万円を狙ってはいけません。
気長にコツコツ稼ぐことです。1,000円負けて3,000円負けて5,000円稼ぐ。そしてプラス1,000円。
このような取引を繰り返して少しずつ増やしていくのです。証拠金に余裕ができてきたら取引額を少しだけ増やしていけば無理はありません。
また、利益が出てきたら、当初の証拠金と利益分を相殺させるために少しずつ出金しましょう。
そして初期投資分が手元に戻れば、投資用の資金を投資から稼いだことになり、安心して投資ができます。
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