取引を開始する時に必ず確認するのがチャートです。過去の情報を元に、今後の動きを予測しなければなりません。
テクニカル分析と言われていますがチャートには沢山の情報が詰まっています。また、チャートにはいろいろな線やグラフを追加する研究が日々行われています。
今回はチャートの基本と分析を確認していきましょう。
チャートの基本
広く知られているチャートの種類はローソク足チャートです。
このチャートは江戸時代に日本の本田宗久が考案して、米取引で使用されていました。
現在、世界中でキャンドルチャートと呼ばれていて多く使われています。
何がそれほど使いやすいのか?
ローソク足は六つの情報(数値は四つ)を一つのかたまりで表現しています。
- 始値(指定された時間の始まりの価格)
- 終値(指定された時間の終わりの価格)
- 高値(指定された時間内で最も高かった価格)
- 安値(指定された時間内で最も安かった価格)
- 始値と終値の長さ(指定された期間内で上昇または下落の価格幅)
- 高値の棒線の長さ(指定された期間内で高値と始値または終値の高い方との差分)
- 安値の棒線の長さ(指定された期間内で安値と始値または終値の安い方との差分)
これを棒状の状態で始値と終値を四角の長方形で縦に表示し、その外側の上向きに長方形の上部中央から棒線で高値を示し、下向きに長方形の下部中央から棒線で安値を表示しています。
そして、始値と終値の長方形では始値が下側で終値が上側の場合は価格が上昇したことを示し、陽線と呼ばれ主に赤色で表示されます。
逆に終値が始値より下の場合は陰線と呼ばれ価格が下落したことを示し、主に青色で表示されます。取引業者のツールによって色の変化は可能です。
また、高値と安値は棒線で表示され、ヒゲと呼ばれています。高値が上ヒゲ、安値が下ヒゲです。このヒゲの長さが長く伸びている時には一時的に急激な動きが発生したことを示しているため、チャートはヒゲの長い方の逆に動いていくことがしばしばみられます。
このようなことからローソク足は情報のかたまりです。
次に指定された期間は、1分・5分・10分・15分・30分・1時間・4時間・1日・1週間・1ヵ月を主な期間として表示可能です。
また、グラフ表示ツールによっては個別に7分や3日などイレギュラーな指定ができることも多いのです。
どの期間を指定しても見た目は同じです。しかし、ローソク足はその時間の期間内ですから次の時間に入れば行移動して次のローソク足の作成が始まります。
なお、始値と終値が同一価格である場合には一本の横棒で表示され、長方形は形成されません。また、高値や安値が始値や終値とどちらかと同一の場合は縦線が形成されませんから、始値と終値の長方形のみが表示されます。
このローソク足が並んでいけばチャートが完成するのです。ですが、あくまでもチャートは過去の情報であって、未来を予測するものではありません。未来を予測する元となるものです。
取引では、長方形(ヒゲ無し)のみの場合には上げや下げが始値から終値へ向けて順調に進んでいる状況を示します。
長方形(ヒゲ無しまたはヒゲが短い)が同一方向へ連なった場合には、トレンド(方向性)が発生している状況です。
ということは上げであればほとんどの人が買い、下げであればほとんどの人が売りですから逆に動きにくい状態ですので、とても利益を出しやすい狙い目の動きです。
チャート分析、テクニカル分析とも呼ばれます。
分析に関しては、かなり多くの補助線や補助グラフを表示して、ローソク足チャートを補完しています。
チャート分析、テクニカル分析
代表的なものをいくつか紹介しましょう。
酒田五法(さかたごほう)
この分析は、ローソク足チャートの形と並びで分析するため、新たな線やグラフを表示するわけではありませんが、未来予測に欠かせない分析法です。詳細は必ず勉強してください。
例を挙げますと、二本の長めのヒゲ(足)が並んで表示されると、方向が反転しやすいと言われています。
また、ローソク足の並びが三つの山のような形をしたら、トレンドが反転しやすいと言われています。そこを狙って逆張りを仕掛けていくのです。
移動平均線
この分析ではチャートの上に線が表示されます。代表的なものは5日移動平均線などです。
日足チャートを表示した際に5日間の平均値が、ローソク足上の点で結ばれます。
移動平均値を5日と20日の二本の線を表示させて、その線同士が交差した場合に、長期線を短期線が下から上へ抜けるときの交わり点を、ゴールデンクロスと呼び上昇転換しやすいといわれています。
また、長期線を上から下へ抜けるときの交わりを、デッドクロスと呼び下降転換しやすいといわれています。
ボリンジャーバンド
ローソク足チャートの上部と下部を、包み込むような形で外側に線が上下二本表示されます。
中央に平均値の線も表示されます。計算式は複雑になりますから割愛します。
どのような動きをするかというと、上げの動きが激しいと、ローソク足チャートの上部に上側の線が近づき、下側の線は離れていきます。
逆に下げの動きが激しいと、ローソク足チャートの下部に下側の線が近づき、上側の線は離れていきます。
価格の変動が収まってくると上下両方の線がローソク足チャートに近づいてきます。
取引ではボリンジャーバンドの線をローソク足が超えると、上昇や下降が勢いを失っていくと言われています。
一目均衡表
言葉で表現するのは大変難しいのですが、ローソク足チャートの外側に雲と呼ばれるエリアが囲われて表示されます。
この表は未来に先行スパン、過去に遅行スパンというエリアが表示され、未来予測が立てられます。
その雲をローソク足チャートは通常抜けにくいとされ、その雲を上下どちらかに抜けていけば、トレンドが確定したようにとらえられます。
まとめ
これらのような分析のひとつひとつも計算は複雑です。手動で計算できるレベルではありませんから、チャート表示ツールに機能が備わっています。
まだまだ、これ以外にたくさんの分析機能がありますから、自分に合う分析法を探してみてください。
分析はとても重要なことですので勉強も忘れずに!
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